新年を迎えるにあたり、近藤惠子先生に抱負を書いていただきました。

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 あけましておめでとうございます。(母が旅立ち、世間的には喪中なのですが、母自身が納得して迎えた千秋楽でしたので、新しい気持ちで、“おめでとう”ということを母も望んでいると思います。)

さて21世紀のコール・アカデミーを言う前に、世紀をまたいで存続できたことをみんなでお祝いしたいと思います。改めて団長、副団長はじめ発足当時からずっと支え続けて下さった皆様に、心からの感謝を捧げたいと思います。
 ただ続いた、というだけでなく、『年を重ねる毎に進歩著しい』とは高須合唱連盟理事長の言。これは当然のことかもしれませんが、どの団体もが向上しているとは限らず、やっぱりうれしいことです。
 さて、コンクールでは何故力が発揮できないのか、を考えた時に「舞台経験をもっと積んで本番に強くなろう」ということで、県の合唱祭や芸文でのチャリティコンサートに出演していますが、あなたとしてはどう思いますか?
 あがる、ということ、緊張するということ、これはある面いいことなのです。フレーニでもパバロッティでも、誰かの一押しがないと舞台には出られないそうです。私など未だに「やーめた」と言って逃げ帰りたくなります。でもオペラ等ではお化粧をされ衣装を着せられ鬘(かつら)をつけられると1つ1つ「あーもう逃げられない」と観念していく訳です。そんな緊張状態の中で頼りになるのは練習中に組み立て築きあげた周りとのやりとり(相手役であったり、オーケストラであったり)です。
 合唱の場合は何といっても他声部とのやりとりです。練習中に自分のパートだけを必死で歌っているだけではダメ。音楽的なやりとりが他声部やピアノと必ずある筈で、その音楽全体を聴きながら、懸命に自分の役を演じていく・・・。そう、ただやみくもに声をだし、「あーすっきりした」というだけならカラオケで十分です。
微妙な、機械では絶対に作り出し得ないナマの声のハーモニー・・・。そこにはハーモニーの美しさ以外に、歌い手一人一人の発するエネルギーというか、言葉に込めた気持ちのかたまりが、聴く人の心に届き感動を生むのです。
 自分も曲に感動し、その感動を声で伝えましょう。
 さあ、今年も積極的に、一人一人が表現し、その総合体としての豊川コール・アカデミーであるように、毎回の練習を充実したものにしていきましょう。

(編集担当:A/H.T.,T/K.K.)

♪ T.C.A.会報                      2001.1.12 新年号